この記事に掲載している比較表はAIを使って算出しています。生活スタイルによって実際の結果は大きく変わりますので、あくまで参考程度にご覧ください。
家づくりを検討していると、住宅性能や快適性だけでなく「長期的にどれだけお金がかかるか?」も非常に大切な視点になります。この記事では、東北南部の寒冷地において、土屋ホームと一条工務店の35年間のランニングコスト(光熱費+メンテナンス費+固定資産税)をAIを使って比較した結果を公開します。
あくまで私たちが建てた家の仕様と、一条工務店検討時に提示された標準仕様書の情報を元に比較しています。
建築費は太陽光設備を含むと両者見積もり価格が拮抗していたと記憶しています。
ただ初期見積もりの情報ですのであまり当てになりません。
なので今回は建物については同額だったと仮定して、あくまで住んでからかかるランニングコストで比較します。
比較条件(共通)
- 建物価格は同額と仮定(太陽光・設備含む)
- 同じ敷地面積・間取り(30〜35坪2階建て想定)
- 電力会社:東北電力、オール電化
- おひさまエコキュート採用
- 日中在宅で自家消費を意識した運用
それぞれの家の仕様
土屋ホームの仕様(実際の住まいを元に)
- UA値:0.32(ペアガラス)
- C値:0.38(高気密)
- 基礎断熱+外内ダブル断熱
- 冬の暖房:エアコン1台(LDK24h稼働)+補助2台(寝室・書斎で1日2時間程度)
- 太陽光:Qセルズ Re.RISE G3(8.8kW)
- 蓄電池:なし
一条工務店の仕様 (icube)
- UA値:0.25、C値:0.59
- 床断熱
- 全館床暖房(11月中旬〜3月末まで24時間稼働)
- 太陽光:屋根一体型10kW(耐用年数20年、保証10年)
- 蓄電池:7.04kWh(据置型)
- OEM元:ダイヤゼブラ「EIBS7」https://www.diamondzebra.co.jp/eibs7/
光熱費の比較
項目 | 土屋ホーム | 一条工務店 |
---|---|---|
冬の暖房費(5ヶ月) | 約1.9万円 | 約7.0〜7.4万円 |
年間光熱費(自家消費考慮) | 約3.8〜4.2万円 | 約7.0〜7.4万円 |
35年間合計 | 約133〜147万円 | 約245〜259万円 |
一条工務店は11月~3月の間床暖房稼働、
土屋ホームは同じく11月~3月の間メインエアコン24時間連続稼働(冬5ヶ月間)※全館暖房に近い使い方、扉を開けた状態で空気を回す運用
の想定で比較しました。
メンテナンス費の比較
内容 | 土屋ホーム | 一条工務店 |
外壁 | サイディング塗装+目地補修(30年目)約90万円 | タイル目地補修 約50万円 |
屋根 | ガルバ塗装+ルーフィング交換+太陽光脱着 約90万円 | 屋根一体型パネル脱着+ルーフィング交換 約120万円 |
太陽光・蓄電池 | 交換しない前提 | 交換しない前提 |
合計(足場含む) | 約180万円 | 約170万円 |
※2024年時点で土屋ホームの標準仕様の外壁サイディングは高耐久の商品ではなかったので、我が家ではニチハのCOOL イルミオを採用しています。標準仕様との比較ではなくあくまで私たちが建てた家との比較になりますのでご注意ください。
屋根のルーフィング交換についてはどの会社でも説明がなかったですし、実際にルーフィング交換した人の話も聞いたことが今のところないので、実際やることになるのか疑問なのですが試算に入れています。
これが不要となったらまたトータルコスト大きく変わってきますね。
固定資産税比較
固定資産税の評価額に影響する仕様リスト
評価差要因 | 土屋ホーム | 一条工務店 | 差の影響(評価額UP) |
---|---|---|---|
外壁材 | 窯業系サイディング | 全面タイル外壁 | ✅ タイルは高級仕上げとして評価が上がる |
床暖房 | なし(補助エアコン) | 全館温水式床暖房 | ✅ 付加価値設備として評価UP |
太陽光パネル | Qセルズ 8.8kW(屋根上設置) | 屋根一体型10kW太陽光 | ✅ 一体型は建物一部とみなされ評価額に加算されるケースあり |
蓄電池 | なし(ポータブル) | 7.04kWh据置型蓄電池 | ✅ 一部自治体では評価対象(建物設備として) |
断熱方式 | 基礎断熱 | 床断熱 | 関係なし(評価額に直接影響しない) |
窓 | ペアガラス樹脂サッシ | トリプルガラス樹脂サッシ | 基本的に評価に大きな差なし |
屋根構造 | ガルバリウム鋼板 | 屋根一体型太陽光付き屋根 | ✅ 一体型構造で建材費が高くなり、評価上昇の要因 |
固定資産税については土屋ホームとの比較というより、一条工務店と窯業系サイディング採用の他社との比較に近いです。
35年間でかかる固定資産税比較表
内容 | 土屋ホーム | 一条工務店 |
評価額の違い | 約1,700万円 | 約2,000万円(設備分で加算) |
年間税額 | 約12万円 | 約14.5万円 |
35年間合計 | 約270万円 | 約330万円 |
固定資産税の評価額に関わる仕様の違いにより建物全体の評価額に300万ほどの差が生まれるそうです。
総まとめ:35年間のトータルランニングコスト
項目 | 土屋ホーム | 一条工務店 | 差額 |
光熱費 | 約133〜147万円 | 約245〜259万円 | ▲約112万円 |
メンテ費 | 約180万円 | 約170万円 | △約10万円 |
固定資産税 | 約270万円 | 約330万円 | ▲60万円 |
合計 | 約583〜597万円 | 約745〜759万円 | ▲約148〜176万円 |
これらを合計すると土屋ホームのほうがランニングコストは約148〜176万円ほど安くなるという計算になりました。
まとめ 判断基準はコスパではなく床暖房の快適性をとるか自由な設計を求めるか
一条工務店は全館床暖房や屋根一体型太陽光など、快適性や設備の一体感が魅力です。しかしその分、光熱費や固定資産税は重く、長期で見るとランニングコストは高め。
土屋ホームは断熱・気密のバランスが非常に良く、使い方次第で大幅にコストを抑えられる住宅です。太陽光自家消費+必要最低限の設備で、堅実に住まいを維持したい方には特におすすめです。
ただし、これはQcellsの太陽光パネルを積んである前提で比較していますのでご注意ください。
一条工務店の床暖房は電気代安いと聞きますしこの試算が合っているのか実態は気になるところです。
今回出た差額、約148〜176万円は高額ではありますが35年間での話なので過ごし方やメンテナンスの見積もり次第であんまり差はなくなる可能性もあると思います。
ただ一条工務店のがコスパ良いと言われるのは他社で建てた家よりトータル支出が抑えられるというよりは、床暖房や太陽光蓄電池、外壁タイルなどこれだけの設備が入っての価格ということで、快適性に対するコスパの良さと言えます。
私たちは正直一条工務店のデザイン性に納得できず契約に踏み切れなかったところがありました。
金銭的には長い目で見ると一条工務店の方がお得だったのかな?失敗したかな?と思っていましたが、AIにできるだけ詳細に両者の情報を入れて何度も比較した結果がこれでした。
断熱性能にある程度こだわることはお勧めしますが、あとはお好みのメーカーさんで一条工務店より存しているなんてことはないかと思います。(太陽光は積むことをお勧めします)
家づくりをしているみなさんの参考になれば幸いです。
補足リンク・参考資料
- Qセルズ Re.RISE G3 太陽光:https://www.hanwha-rerise.jp/rerise-g3/#features
- 一条工務店 トリプルガラス:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/sash/
- 一条工務店 屋根一体型太陽光:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/solarpanel/
- ダイヤゼブラ EIBS7 蓄電池:https://www.diamondzebra.co.jp/eibs7/